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設立の理念と目的

豊かな社会の実現を目指します。
そのために必要な『日本人の心の継承』を理念とします。

先人に学び、今に活かし、次世代につなぐ
私たちは、今日まで大切に培われてきた日本人の心を継承していくことが、豊かな社会づくりの基盤になると考え、その実現のために本法人を設立しました。江戸しぐさはその指標となり、大きな手立てとなります。
 日本人の心を、共に次世代に繋いでいきましょう。

江戸しぐさとは

 「江戸町衆が築き上げた知恵と心遣い」。この行動哲学のもと、現代の日常をより良く生きるための心構えとして分かりやすい教えの言葉にまとめたもの。生粋の江戸しぐさは、今日まで口伝で継承されてきました。江戸も現代も変わらずに先人から今に受け継がれてきた日本人の心のありようが掲げられています。

 江戸しぐさは、2004年に公共広告機構(現・AC JAPAN)のマナーCMとして一般に広まり、現在は、小中学校の教科書にも掲載されたことから、道徳的な行動規範として知られています。しかし、これは江戸しぐさの伝えているほんの一部分です。その根底には深く普遍的なこころざしが秘められています。

 江戸時代、日本の中心地として栄えた江戸の町は、全国からあらゆる職業や立場の人々が集まる異文化のるつぼでした。武家を手本にしながら文化や経済の担い手は人口の大半を占める庶民にありました。その中でも経済を動かす商人達が中心となって、円満な人間関係を築き、皆が気持ちよく稼いで平穏に暮らしていくために“必要な「しぐさ」”を次々に生み出しました。そして自らが手本となって実践していったのです。江戸しぐさは、こうした「江戸商人のリーダー達の(主体的に生きる)行動哲学」を元にした「商人道」の心意気とも言えます。人の気持ちを慮ることは勿論、無用なトラブルを未然に防ぎ、安全に暮らすための危機管理の知恵など、すべてを網羅した“生き方のヒント”として、私たちの日常に活かすことができるでしょう。

 このような「江戸しぐさ」の基礎を作られたのは、江戸ゆかりの家に生まれ育った故・芝三光氏です。「江戸講」の教えや「商人しぐさ」「繁盛しぐさ」と呼ばれた江戸町方に暮らす商人達、江戸町衆の心構えの数々を『江戸しぐさ』と命名してまとめ、当時(1980年代)の社会生活にマッチする形でまとめ、一つひとつにわかりやすい教えの言葉をつけてよみがえらせた始まりは芝先生でした。そのメモや資料となるものは残されています。  こうして、今日まで口伝で継承されてきた江戸しぐさの根幹にあるものは、江戸から現代へと脈々と流れ、これからも語り継がれるべき大切な「日本人の心」と言えるでしょう。

なぜ今、江戸しぐさが必要とされているのか?

変わらない心を継承する

 江戸しぐさは、現在、学校関係や企業をはじめ、あらゆる教育の場面で必要とされ親しまれています。では、なぜ、今「江戸しぐさ」が求められているのでしょうか?

 江戸時代から現代に至るまで、日本人のライフスタイルは大きく変化し、それに伴い、言葉や行動、その価値観も変わらざるを得なかったのかもしれません。
 しかし、古代より私たちの先祖から二千年以上も継続されてきた、和を尊び、謙譲を美徳とし、人の気持ちを慮る 日本人ならではの伝統的な価値観は、変わることなく私たちのなかに自然と備わっていることも確かです。 その結果、今も日本は世界で一番安全な国であることを称され、その心豊かな国民性は各国から絶大な信頼を得ています。「変わらない心」は、時代を経てもそこに必要だからあり続けている。だからこそ、今、私たちは、先祖から受け継いだ、この尊い預かりものを責任をもって次世代へと繋ぐ使命があると思っています。江戸しぐさは、こうした日本人の心の根っこに寄り添い、しっかりと心を継承するための手立てとなります。江戸しぐさは、日本人の心のスタンダードだからこそ自然と共感され、必要とされているのだと感じます。

経済と道徳が一致していた江戸に学ぶ

日本は、創業から100年200年、400年以上と続く中小の老舗企業が数多くあり、世界でも稀に見る長寿企業大国を誇っています。その一方で、近年はパワハラやセクハラ問題、外国人労働者や異世代間のコミュニケーションの難しさから、人間関係が原因の職場トラブルが増えています。また、後継者不足や安全衛生管理体制の欠如による倒産危機など、企業の抱える問題は多様化しているのも事実です。終戦後、経済は高度な成長を遂げましたが、同時に育まれるはずの心の豊かさは一致せず、それどころかクールに退化してしまったことが一因に挙げられるのではないでしょうか。
 現代と比較をしてみても、江戸時代の暮らしや環境が、けっして理想郷だったとは言えないでしょう。自然災害や経済危機を幾度も乗り越え、様々な困難を抱えながら社会を発展させてきたことは現代も同じです。しかし、江戸に生きた人々は、トラブルを未然に防ぐことでリスクを最小限に抑える“危機管理の知恵”を持っていたことが強みでした。それは、つき詰めると人の心を慮る“共生の精神”に繋がります。経済の発展には、こうした思いやりの心が付随していたということです。この「経済と道徳の一致」こそが時代を生き抜く力の源であり、あらゆる面で豊かな社会を継続させる道だと考えた江戸町方のトップ達の生き方でした。
“日本人に合う働き方のヒント”として、今の日常に活用することができるはずです。

今に合うしぐさを生み出し実践すること

次世代に「心」のたすきを繋いでいく私たちが、これからしていくべき大切なことは、江戸に限らず先人たち皆がそうして伝えてくれたように、日常生活の中で「必要な“しぐさ”を今に合う形で生み出し体現していくこと」です。江戸しぐさは、相手に何かを強いたり、相手を変えようとするのではなく、自分を省み、先ず自らがあるべき姿を示していくことを大切にしています。「子どもは親の背中を見て育つ」という言葉にもありますが、その日々の反復こそが、いつしか「心の継承」となり、安全で豊かな社会を構築していくのではないでしょうか。やがては日本の繁栄に繋がると考えます。
 日本人を今日まで培い、今も支えているものは、この豊かな精神性です。
各家庭、学校単位、地域ごと、企業単位で・・・しぐさで括った其々の「こころざし」を掲げ、実践していくこと。これが‘思草(しぐさ)’であり、今を生きる私たちが担う大切な役割だと思います。

江戸しぐさに学ぶおつきあい術
山内あやり著
「江戸しぐさに学ぶ
おつきあい術」

(幻冬舎)
江戸しぐさ恋愛かるた
山内あやり著
「江戸しぐさ」
恋愛かるた

(三五館)